プレハブ住宅は建て替え中の仮住まいになる?建てる場合の注意点とは

プレハブを仮住まいにして、建て替え中ものんびり快適に……。

お家を建て替えている間は、仮住まいに引っ越しする必要があります。
仮住まいとしては、賃貸住宅がもっとも人気です。

しかし、いざ賃貸住宅を探してみると、仮住まい向けの物件は簡単に見つかりません。
短期間だけ借りられる賃貸住宅は、全体的に数が少ないからです。

そこで、空いている自宅の敷地にプレハブ住宅を建てて、仮住まいとする方法が考えられます。
もし、自宅のそばにプレハブ住宅を建てられれば、建て替え中もあまり変わらない生活を送れます。

この記事では、プレハブ住宅を建てて仮住まいとしたい場合に、知っておくべきポイントをお話しします。

目次

建て替え中も生活リズムを変えなくてすむ

1年以上の契約を前提とした賃貸物件は、住宅の市場にたくさん出まわっています。

一方で、仮住まいになりそうな短期の賃貸物件は、なかなか見つかりません。
賃貸物件のオーナーさんにとって、短期の賃貸契約を結んでも家賃収入があまり見込めないからです。

加えて、ペットを飼える物件ともなれば、さらに数が限られてしまいます。

しかし、自宅の空き地にプレハブ住宅を建てれば、仮住まいを探しまわる必要がなくなります。さらに、プレハブ住宅には以下のようなメリットもあります。

  • 建てるのに1週間もかからない
  • 引っ越し作業がラク
  • ライフラインを止める手続きなどがいらない

ほかの場所で賃貸住宅を借りる場合は、引っ越し作業を専門業者にお願いしなければなりません。
また、水道や電気、ガス、インターネットを止める手続き、郵便物の転送手続きなども必要になります。

ですが、自宅の空き地にプレハブ住宅を建てる場合は、準備にあまり手間がかかりません。さらに、仮住まいが自宅の敷地にあれば、ご近所付き合いがそのまま続けられます。

生活リズムを変えずにすむので、高齢のご家族にストレスをかける心配がありません。

3つの注意点に気を付けてプレハブを建てよう

プレハブ住宅には、建てるときに気を付けたいポイントがあります。
メリットの多いプレハブ住宅を建てるために、注意点についても一緒に知っておくのがオススメです。

大まかには、以下に挙げる3つの注意点を押さえてください。

  1. プレハブの大きさを法令内に収める
  2. 目安として約180万円の資金を用意する
  3. なるべく真冬を避ける

3つの注意点さえ押さえておけば、プレハブ住宅は問題なく建てられます。
それでは、1から順に詳しく見ていきましょう。

1.プレハブの大きさを法令内に収める

空き地にプレハブ住宅を置く場合、十分広いスペースが必要です。なぜなら、プレハブ住宅も建築に関する法令の対象となるからです。

法令に引っかからないプレハブ住宅を建てるためには、建ぺい率の上限に注意します。

建ぺい率とは?

建物が敷地をおおっている割合を指します。
建ぺい率 = 建物面積 ÷ 敷地面積
なお、プレハブ住宅を建てる場合、建て替えるお家の面積にプレハブ住宅の面積を足して、1棟の建物面積とみなします。

ちなみに、地域によって建ぺい率の上限は決められています。たとえば、建ぺい率の上限が60%の地域で、敷地面積200㎡の土地があるケースなら、建物面積は120㎡が限界です。


建ぺい率 60% × 敷地面積 200㎡ = 建物面積 120㎡

なので、建て替えるお家の面積が70㎡の場合、プレハブ住宅の面積は50㎡以内に抑える必要があります。


建物面積 120㎡ - 建て替えるお家の面積 70㎡ = プレハブ住宅の面積 50㎡

プレハブ住宅の大きさが建ぺい率の上限を超えなければ、プレハブ住宅を建てられます。なお、プレハブ住宅を建てるときは、事前に自治体に建築確認をお願いします。

建築確認とは、新築の計画が法令に沿っているかチェックする作業です。建て替えるお家だけでなく、プレハブ住宅をつくるときも建築確認が必要なので注意してください。

容積率は気にしなくてもよい

実は、法令の規制は容積率にもかかります。容積率とは、各階の面積を合わせた延べ床面積を、敷地面積で割った数値です。

容積率 = 延べ床面積 ÷ 敷地面積

ただ、仮住まい用のプレハブ住宅は、ワンフロアだけの平屋がほとんどです。そのため、容積率が規制に引っかかるケースはまれなので、気にしなくても問題ありません。

2.目安として約180万円の資金を用意する

仮住まいのプレハブ住宅は、レンタルするのが一般的です。半年間くらいなら、購入するよりもレンタルした方が圧倒的に費用を抑えられるからです。15坪のプレハブを6ヶ月レンタルするときは、約180万円が目安になります。

☆15坪のプレハブ住宅を6ヶ月レンタルするケース☆
費用の項目 費用の目安
建物本体のレンタル 900,000円
キッチンのレンタル 40,000円
トイレのレンタル 90,000円
お風呂のレンタル 220,000円
往復運搬費 200,000円
電気工事の引き込み 125,000円
水道工事の引き込み 60,000円
ガス工事の引き込み 125,000円
建築確認の費用 40,000円
合計 1,800,000円
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キッチンやトイレ、お風呂のレンタルについては、一般的に建物本体とは別にレンタルします。
ただ、建物本体と一緒にレンタルできる場合は、まとめて借りてしまった方が費用を抑えられてお得です。

また、ライフラインの引き込み工事には意外とお金がかかるので、注意してください。

なお、賃貸住宅を6ヶ月借りた場合の費用は、引っ越し費用とあわせて130~140万円ほどです。
そのため、一般的には賃貸住宅よりもプレハブ住宅の方がお金がかかります。

しかし、すでにお話ししたように、短期の賃貸住宅を見つけるためには大変な手間がかかります。
探すのにかかる時間を考えると、賃貸住宅の方がプレハブ住宅より得だとは言い切れません。

3.なるべく真冬を避ける

プレハブ住宅で真夏と真冬を過ごすときは、室温に要注意です。
プレハブ住宅は通常の住宅と比べてすき間が多く、一定の室温に保つのが難しいからです。

しかし、一般的に建て替え工事を終えるには4~6ヶ月ほどかかります。そのため、真夏と真冬のどちらかには備えておく必要があります。

一般的には、真冬を避けるのがオススメです。どちらかといえば、真夏の方が対策しやすいからです。たとえば、屋根に遮熱シートを被せる方法があります。

遮熱ルーフエアテックス

引用:遮熱ルーフエアテックス|モノタロウ

遮熱シートが太陽光の熱を防ぐと、室内の温度は上がりにくくなります。さらに、あわせて断熱材を使います。

スタイロフォームIB

引用:スタイロフォームIB|モノタロウ

断熱材を入れると、建物が外気から守られてエアコンが効きやすくなります。なお、あらかじめ断熱材が入っているタイプのプレハブ住宅も増えています。レンタルを考えているプレハブ住宅に断熱材が入っているのか、確認してみるのがオススメです。

実績豊富なプレハブ住宅のレンタル会社を2社紹介

依頼先は、プレハブ専門業者にしぼるのがオススメです。プレハブ専門業者にお願いしないと、建築確認を申請しないといったトラブルを起こす危険があるからです。

また、20年暮らせる高性能タイプなど、プレハブ住宅にも種類があります。仮住まい用のプレハブ住宅は、探してみると意外と少なく感じるかもしれません。

そこで、仮住まい用のプレハブ住宅を扱っているオススメの業者さんを、2社ご紹介いたします。

1.東京ハウジング-断熱性の高さが魅力

東京ハウジング

引用:東京ハウジング株式会社

すでに触れた通り、プレハブ住宅は外気の影響を受けやすいのが難点です。ですが、創業50年以上のプレハブ専門業者である、東京ハウジングさんなら安心です。

外壁に断熱材が入っているため断熱性能が高く、季節にかかわらず室温を一定に保ちやすいからです。また、商品によって、キッチン、トイレ、シャワーユニットが付くのもメリットです。

商品の外観

引用:仮設住宅レンタル|東京ハウジング

なお、上記の商品は、組み立てられた状態で自宅まで運ばれます。
短時間で設置が終わるので、入居を急いでいる方には特にオススメです。

組み立て不要のタイプはユニットハウスと呼ばれる

プレハブ住宅は現場で組み立てる方式、ユニットハウスは組み立ててから現場に運ぶ方式を指しますが、2つを区別する必要はあまりありません。ただし、ユニットハウスは大型トラックを使って運ぶので、道路の狭い地域に対応できない点には注意が必要です。

2.有限会社オカモト技工

オカモト技工

引用:オカモト技工

プレハブ住宅にとっても、自分に合った間取りは大切です。建ぺい率の制約でプレハブ住宅の大きさは限られるので、合わない間取りだと生活しづらくなってしまいます。

そこでオススメなのが、有限会社オカモト技工さんです。埼玉県を中心に、主に首都圏エリアで営業しています。

オカモト技工さんの強みは、間取りにバリエーションがある点です。
そのため、ご自身の生活スタイルに合ったプレハブ住宅を建てられます。

また、断熱や防音にも対応しており、住んでいてストレスを感じにくいのも特長です。高齢のご家族でも心地よく過ごせるのでオススメです。

なお、オカモト技工さんはメールやFAXでも見積もりを取れます。
はじめに見積もりを知りたい方は、オカモト技工さんの公式サイトから申し込んでみてください。

建て替えの仮住まいにプレハブ住宅を利用することについてのまとめ

最近のプレハブ住宅には、断熱性に優れたタイプもあります。そのため、実家を建て替える場合など、高齢のご家族が仮住まいとして使っても安心です。

ただし、プレハブ住宅を仮住まいとする場合、以下の3点に気を付けてください。

  1. プレハブの大きさを法令内に収める
  2. 目安として約180万円の資金を用意する
  3. なるべく真冬を避ける

特に、1.プレハブの大きさを法令内に収めるについては、建築確認の申請がいるので注意しましょう。
なお、仮住まい用のプレハブ住宅を扱っている業者さんとしては、以下の2社がオススメです。

東京ハウジング株式会社 外壁に断熱材が入っていて、夏場や冬場にも対応しやすい
有限会社オカモト技工 生活スタイルに合う間取りで、ストレスを感じにくい

建て替え中の仮住まいといっても、半年近く暮らすとなると住宅性能を無視できません。
キチンとしたプレハブ住宅をつくって、建て替え工事が終わるのをゆったりと待ちましょう。

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この記事を書いた人

「現場を100棟以上見てきた宅建士が、地に足のついた情報をお届けします。」

宅地建物取引士(東京都知事(1)第112158号)。総合建材商社で100棟以上の現場管理を経験し、建築の流れや各工程のリアルを熟知している。その後、不動産事業部を一から立ち上げ、土地・建物の売買や登記、ローンといった不動産実務にも精通。建て替えは「建築」と「不動産」両方の知識が求められる複雑なテーマ。間取りや設備の選び方から、資金計画、税金、名義変更まで、幅広い疑問に対して現場経験と不動産実務の両面からお答えします。

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