建て替えでダブルローンは利用できる?申し込む前に知るべきこととは

お家の建て替えでダブルローンを利用しようと思っている方は、注意が必要です。実は、すでに住宅ローンを組んでいる銀行との契約によって、容易にはダブルローンが組めないようになっているからです。

そこで、この記事ではダブルローンを検討している方に、必ず知ってほしい内容をまとめました。ぜひ、参考にしてください。

目次

建て替えでは利用できない?実質的にダブルローンを組む方法を知ろう

建て替えの場合は、基本的にダブルローンを組むのが困難です。そもそも銀行との契約上、建て替え自体が認められないからです。

なぜ建て替えが自由にできないの?

今住んでいるお家だからといって、自由に取り壊せるわけではありません。住宅ローンが残っているお家は、銀行の担保になっているためです。

なので、まずはご自身がお家に設定している抵当権を解除する必要があります。

抵当権とは?

金融機関から融資を受けるときに、借金のカタとして不動産に設定しておく権利です。
万が一ローンが返済できなくなった場合、金融機関は不動産を競売にかけて資金を回収します。

ですが、お家の抵当権を解除するには、先に住宅ローンを完済して銀行の許可を得なければなりません。つまり、一般的に建て替えの場合はダブルローンを組むのが難しいのです。

建て替えローンなら実質的にダブルローンが組める

そこで、ダブルローンの代わりに建て替えローンを検討するのがオススメです。建て替えローンなら、お家に抵当権が残っていても利用できます。

建て替えローンを利用するとどうなる?

建て替えローンを利用した場合、住宅ローンの残高分についても借り入れられます。借り入れた資金で住宅ローンをいったん完済すれば、抵当権を解除して建て替えができるようになります。

建て替えローンの具体的な手順は、以下の通りです。

  1. 建て替えローンの審査を通る
  2. 融資を受ける
  3. 現在の住宅ローンを完済する
  4. 抵当権の解除手続きを行う
  5. 建て替え工事を行う
  6. 新築物件に新たな抵当権を設定する

上記の通り、建て替えローンを利用すれば、ダブルローンを利用しなくても建て替えができます。なお、建て替えローンを利用すると新旧の住宅ローンが一本化されるので、毎月の返済を1回にまとめられるメリットもあります。

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建て替えローンの審査を通るポイントは「返済できる見込み」

建て替えローンの審査で重視されるのは、返済できる見込みがあるかどうかです。
金融機関は回収できる見込みが薄い融資を行わないからです。

なお、建て替えローンの審査を通るための条件は、大まかに以下の3点にまとめられます。

  • 返済できる見込みがある
  • 過去に料金未払いなどを起こしていない
  • 担保の権利問題などが整理されている

建て替えローンの条件はおおむね通常の住宅ローンと同じですが、すでにローンを抱えた状態で申し込むので審査や融資金額がシビアになりやすい傾向があります。

ちなみに、可能ならマイカーローンや教育ローンを先に返済しておきましょう。住宅ローン以外のローンも、建て替えローンの審査や融資金額に影響するからです。

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被災して生活再建するなら……建て替えローンを組む前に負担を減らしておこう

お家が被災してしまって仕方なく建て替えローンを検討している場合は、高額なローンを組む前に行政等が実施している救済策や補助金制度が利用できないか確認してみてください。

具体的には、二重ローン救済策被災者生活再建支援金など行政の補助金制度があります。被災の程度によっては対象者が拡大されている場合があるので、漏れなくチェックしましょう。

≪二重ローン救済策≫住宅ローンなどの債務整理ができる

二重ローン救済策が適用されると、住宅ローンを減免してもらえる可能性があります。
しかも、個人の信用情報に傷は付かないので、新たに住宅ローンを組むときの審査には影響しません。

なお、対象条件や手続きの流れといった詳しい内容は、以下の「一般社団法人 東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関」の公式サイトに載っています。ぜひ、ご確認ください。

画像引用元:一般社団法人 東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関

≪自治体の補助金制度≫お家の被災状況に応じて補助金が出る

大きな自然災害が起きた場合、国の方針に従って各自治体が補助金支給を行う場合があります。被災地域の各自治体に申請すると、お家の被害状況に応じた補助金が受け取れるのです。

基本的には、内閣府の「防災情報のページ」に概要が載っています。

画像引用元:内閣府|防災情報のページ

例えば、「被災者生活再建支援制度」では、「全壊」「半壊」などお家の被害状況に応じて最大300万円まで支給されます。

ただし、自治体によって、実際に行われる制度の種類や支給額に差が生じる場合もあります。なので、制度の詳細については、ご自身の住んでいる自治体のホームページで確認してみましょう。

なお、2019年は台風15号または19号で被災した方に向けた補助金制度が設けられました。被災地域8県(千葉県、長野県、宮城県、福島県、静岡県、茨城県、埼玉県、神奈川県)の各支援金制度についてまとめた記事があるので、どうぞ参考にしてみてください。

被災地域の補助金制度まとめ 台風15・19号及び大雨被害に遭われた方へ

建て替えに伴うダブルローンについてのまとめ

建て替えでダブルローンを検討している場合は、建て替えローンを利用するのがオススメです。建て替えローンの融資を受けて一度住宅ローンを完済すれば、お家の取り壊しと新築ができます。

もし、台風など自然災害でお家が被災してしまった場合は、ローンを組む前に二重ローン救済策と被災者生活再建支援金など行政の補助金制度の利用を検討してみてください。

二重ローン救済策 自然災害によって建物が壊れた場合に債務を減らせる
行政の補助金制度 台風15号や19号で被災した方に、お家の被災状況に応じた補助金を支給

生活再建のためには、二重債務の負担を減らすことが大切です。まずは各支援制度を漏れなくチェックしたうえで、建て替えローンの利用を検討してみてください。

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この記事を書いた人

「現場を100棟以上見てきた宅建士が、地に足のついた情報をお届けします。」

宅地建物取引士(東京都知事(1)第112158号)。総合建材商社で100棟以上の現場管理を経験し、建築の流れや各工程のリアルを熟知している。その後、不動産事業部を一から立ち上げ、土地・建物の売買や登記、ローンといった不動産実務にも精通。建て替えは「建築」と「不動産」両方の知識が求められる複雑なテーマ。間取りや設備の選び方から、資金計画、税金、名義変更まで、幅広い疑問に対して現場経験と不動産実務の両面からお答えします。

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